/* -------------------------まえがき-------------------------
この投稿シリーズ(化したい)には、以下の要素が含まれる、
または将来的に含まれる可能性があります。
・二次創作日常譚
・独自設定
・時代考証なにそれおいしいの?
・季節の流れなにそr(ry
・キャラクター崩壊
・基本的にはコメディ路線にしたい
これらのことを許容できそうにない方はブラウザバック推奨です。
[This is Start of Series] << | 第1話 | >> [
第2話 ]
-------------------------この下から本編------------------------- */
日が落ちると、そこから一気に冷え込むようになってきた11月のある日。
「おぅ、帰ったぞー」
ヴァイスが玄関を開けると、中は暗く、静まり返っていた。
……あぁ、今日は泊まりだって言ってたな。
とある宿屋の屋根裏——ここはヴァイスとスカーレットの"隠れ家"だ。"図書館"へはもちろんのこと、"依頼"を受けて各地へ赴くにおいても、故郷の村よりも便が良いので二人はここを常宿としている。
スカーレットは、遠方での依頼を受けて留守、というわけだ。
腹減ったな、とりあえずメシにするか——と鍋や食材を用意し始めたヴァイスがふと窓の下の通りを見ると、見知った少女がいることに気がついた。
薔薇色の長い髪を三つ編みにして、手には籠を持ち、上等だが随分年季が入ってボロボロな服を着て、足は……裸足だ。よくこうして通りでマッチをを売っていると聞く。今日もそうなのだろう。
複雑な思いをしながらも数秒間、ヴァイスは階下の少女を見ていたが、程なくして食事の準備に戻っていた——のも束の間。
「——っけね」
火種を切らしていたのだ。
職業柄もあり、生モノをあまり好まないヴァイスにとっては由々しき問題だ。
——めんどくせぇけど、買いに行くか…
眼下の通りにいた少女のことを思い出すのに、そう時間はかからなかった。
「よぉ」
「!!」
ついいつもの癖で、背後から声をかけてしまった。その声に少女——ミクサも、肩をビクッと一緒震わせる。背後からでも見ても、実にわかりやすく驚いていた。怯えてさえいるかもしれない。
「おっと悪りいな、今日のアタシはお客さんだ。メシの支度してたんだが、火を切らしちまってな。いくらだ?」
「……!…えっと……ひと箱で2リーフだよ……お料理、何作るの?」
「大したモンじゃねえよ。ウチにあった肉と野菜を煮て、味付けて終わりだ。まぁそれとパンぐらいで——」
会話をしつつ財布から代金を取り出していたヴァイスが再びミクサの方を見たとき、彼女はなぜか涙で目を潤ませていた。そして
「お肉……お肉……」
とうわ言のように呟いている。
スカーレットが頭脳派だとしたら、ヴァイスはその鋭い"感覚"を武器にミッションをこなす殺し屋だ。いまのミクサの状況が意味するところを、理解するのは容易い。
「…なんだ?食いたいのか?」
ミクサは涙目のまま、こくこくとうなづく。
「いいぜ。今日は相方も居ねえし、一人でメシ食うってのは意外と退屈なンだ。ほら、ついてきな」
そう言えばミクサは付いてくる、ヴァイスはそう思っていた。しかし、そんな"気配"がしない。
「だめ——」
ミクサは、さっきヴァイスが話しかけた位置から一歩も動いてはいなかった。
「あん?」
「カゴの中身…全部売らないと……怒られちゃう」
うつむきがちでそういうミクサの表情に、先程の腹ペコ涙目とは比べ物にならない、重苦しくて悲痛な心情をヴァイスは見た。
そして、ヴァイスは笑みを浮かべる。
「なぁんだ、そんなの」
「?」
「アタシがそのカゴの中のモン全部買やいいんだろ?
「!!」
信じられない、という顔をミクサがしたので、ヴァイスは再びミクサの元へ歩み寄ると、財布の中の小銭をミクサの持つカゴにありったけ突っ込んだ。
「あとでちゃんと数えとけよ。釣りはいらねぇ、足りなかったらその分はスカーレットが出す。…ほら、行くぞ」
「う……うん!」
——楽しい会話こそ多くはなかったものの、自分の作った食事を小さな女の子が夢中で食べているサマを眼前で見る、というのは中々どうして良い退屈しのぎになる。
翌日、自分の機嫌が良かったのは、昨日の任務の報酬に色がつけられていたことよりも、むしろこのこを知ったからだということに、ヴァイスはまだ気づいていない。
/* -------------------------あとがき-------------------------
こんにちは。Bussigny(びゅしにぃ)です。
wlw二次創作なお話を書きたいと前から思っていたのですが、ワンダー部にはそれらしいカテゴリがなく、(調べた限り)先駆者兄貴的投稿も見つからず。
「あぁ、"そういうサイトじゃねーからこ↑こ↓!"ってことなのかなぁ、と思ってたんですけども。
数日前「魔剤を啜りながら神筆を執るな」なる初投稿をしたあたりで
「延々ウイスキーの話してる投稿とかあるし、
wlwモノのお話書いたのの発表の場としてワンダー部使うの全然アリなのでは?」
といったような内容のツイートをしたところ、
公式にいいね押されてたので、
「アリ」というジャッジが下ったものと判断します。
カテゴリ小ネタと雑談でいいんですかね?
というわけで。
だいたい1話あたり2〜3分で読める分量を目安に、キャストやキャストを取り巻く人々の日常を綴ってみようと思います。
リグワンにあやかって、2分で読める量と言われる800〜1200字を目指しましたが、今回は1500字以上あります(まえがき・あとがき含まず)。
つまり、だいたい1200〜1500字でなるべく納めるようにします。
今回は何回かの続き物になりそうですが、できれば1話完結にしたい。
そして、できれば最低週1は更新できるように頑張りたい。
初回にいうべきことはこれぐらいでしょうか。
感想とかご意見とか要望とかあればコメントなりTwitterでリプなりなんなりと。
(すぐ反応/反映できるとは言ってない)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは次回までごきげんよう。
------------------------- End of Article ------------------------- */
こういうのは書いたもん勝ちですよ!旦那!
wlwのSSは数が少ないので見つけたらチェックしてるんですけど、まさかワンダー部で読めるとは...
続編お待ちしております。
後ホーム同じなんですね、びっくり。
拝見しました
更新お待ちしてます
((o(^∇^)o))