初めてワンダーをした時の話……というと、今でも忘れられない思い出がある。
元々音楽ゲームとそれにかかわる二次創作が本業だった私には、当時熱狂的な程に憧れていた人がいた。綺麗な文章を書く綺麗な人だった。その人がやることは大体真似をした。その人がどんな人と何を話すのか私は知りたがった。
得意な譜面の傾向が私のそれとは対極上にあり、音ゲーの実力はちょっと伸びた。
本題に戻ろう。そんな彼女がワンダーを始めた。かぐやとツクヨミを気に入って、確かアタッカーはミクサを使っていたろうか。
その時点では私は静観していたのだが……そんな彼女があるキャストの顔をめちゃくちゃに褒めた。それが気になって仕方なくなった私は、居ても立っても居られずAimeを端末に翳した。
2017年9月20日の夜の話である。
記録もしっかり残っていた。
……と、ここまでなら微笑ましい話であろう。
だがまだ終えるには早い。
実はこの日、同じく彼女に影響されたのか共通の友達がプレイを始めていた。
それを知った私ら3人はしばらくして「修練場でフレンドマッチをやろう!」ということに決めたのである。
当時はこんなものが開催されていた。
……が、結果は酷いものであった。どれだけかというと思い出したくないレベルである。プレイそのものより、あとがきつかった──なぜあんなレベルで中央に行っただの、こんなとこで殺されすぎだの、全く動けてないだの、これでよく全国に出る気になったなだの、2人から揃って詰問を受けた末、要約すると「惚れた相手が悪すぎるしお前はこのゲームに向いてない」。
その時のやりとりはLINEで全て残っているのだが、今見返したら今持ったモチベも消されてしまいそうなのでやめる。殆ど同時に始めた人に(片方はそれでも既に当時基準の銀だったが)何より仲間だと思っていたはずの2人にけちょんけちょんに言われる重さが想像つくだろうか。
これが9月22日。この時点で開始から3日め。
余程筆を折ろうかと思ったが、結果的にそうはならなかった。どうしても見返してやりたかったのもあるが、それだけではない。
セガ渋谷には、通う人の輪が出来ている。彼らに話しかけることに成功した私は、LINEのやりとりを見せて回ったのだ。
正直申し訳ないことをしたと思う。
何しろ惚れたのがナイトメアとヴァイスでしかもそれまでこの手の対戦ゲーム経験が一切無いとなっては、見せられた側も困ったことだろう。救いはその時の私がすでに「サポーターは初心者が触るものではない」と認識していたことか。
結論から言うと私は幸運で、たくさんの助言に出会うことができた。
ほかのアタッカーに乗ってみろと言ってくれる人もいた。
とりあえずカードをライブラリーで引いて装備が揃うのを早めてはどうかと教えてくれた人もいた。
今のうちにたくさんの技を食らって一杯驚けと笑った人もいた。このアドバイスは面白かったし、今考えればこれは相手への敬意だろうと思う。
そんな折、ひとりがこんなことを言った。
「要は兵士の前に出すぎるってことだろ? じゃあ、動けないやつでも使ってみるか?」
勧めてくれたキャストがジーンだった。ファイターは完全にノーマークだったのだが、彼が意外とカッコいいことに気付いた私はとりあえずの主力に抜擢することにした。
当時お世話になったのが
この記事。
ファイターに乗っていると横槍が飛んでくる。逃げ方や、されたら嫌なことがわかってくる。結果、ナイトメアもとりあえずキルを取られる前に下がることは出来るようになった。
2人のランクが上がってきたあたりでヴァイスにも手を出して、今ではジーンよりナイキとヴァイスのランクの方が高くなった程だ。
冬ごろ仲間をひとり引き込んだらあっという間にキャストランク20を達成され私は藍より青しの藍になってしまった訳だが……それはまた機会が来たらにしよう。次の協奏とか、そのあたりだろうか。
長くなったが、あの嫌な記憶は今でも私のプレイ精神に残っている。
どんなに試合が酷い結末でも
味方を貶すべからず。
みんな何かしら考えながらやっているのだ。それが正しいかどうかなんて、終わってみないとわからない。
当たり前の精神を、ある意味最悪の形で教わった私は「今のうち」をだいぶ過ぎても箱やら斧やら豪速の矢などに驚かされながら、時々思う。余計な話だが最近これに音符が増えた。予測不能でほんとに怖いからやめてほしい。
今ならあのかぐやとリンの2人に勝てるだろうか。
今2人が私を見たら何と言うだろうか。
答えは誰も知らない。
ただ、私の(きっと)少し前で人魚が早く来いと叫んでいる。2人で組めば、多分彼女たちが2人で来たって負けない。あの人魚ならひとりで2人をどうにかするかもしれないが。
今日もジーンの飾られたアミューズメントICカードを翳し、元々の居場所の通貨でチケットを買って門を開けてもらう。さあ、今日は何回「なるほど、そう来るか!」と眼を見張ることになるか。
私の称号は今までも、多分これからもずっと、「挫けぬ心」のままだ。
たとえ不名誉な入手条件でも、私にはこれこそ相応しい。
この記事の次に投稿された記事が,参考にしていたっていう人がジーンを推す記事ってのが草
>>零崎卑識さん
それは完全に偶然の産物ですねww
情報発信がネタとしてもガチとしても得意な方で、みんな大好き?亀の鳴く診断を作った方でもあったりします