1997

白紙色紙を手に入れた話。

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お肉も食べたい
お肉も食べたい
まさかワンダー部に投稿する日が来るとは…
まぁちょっと長いが読んでってくれると嬉しい。
いやむしろ読まなくてもいい、下までスライドして萩谷先生の美しい色紙を見ていってほしい。

ちょうど今日はね、先生の誕生日なのよ。
ハッピーバースデイ萩谷薫先生、あの時はありがとうございました。





1.白紙色紙とは

大会物販のミニ色紙の「大当たり」。
https://wonder.sega.jp/special/recordofwars4th/


神筆使いの間-ミニ色紙
「物販コーナーでミニ色紙を購入した際に、白紙色紙が入っていたら大当たり!
白紙色紙が当たった方は、希望のイラストレーター(前嶋重機先生、チーコ先生、萩谷薫先生、須田彩加先生、伊藤未生先生、かわすみ先生、鈴木玖先生)にイラストを描いてもらえます!!」

2018年12月1日。
先行入場券をで朝から会場入りした私は、偶然にもそれを入手した。
先行だったこともあり、いの1番目にお願いできる権利を得て、
大好きな萩谷薫先生に、大好きなキャラクターであるツクヨミをお願いした。


そして、入手したその色紙を、
友人にプレゼントした。
友人はその色紙のあまりの貴さにうずくまり、顔がくっしゃくしゃになった。やったぜ。




2.なぜ人にあげたのか

ちゃうねん、別にいらんかったわけやないねん。

ノドから手が出るほど欲しかった。
私だって……好きなイラストレーターさんの、世界でたった一つの、私の為だけに描かれた絵が欲しい。
私だってこのワンダーランドウォーズを愛する1人だし、こんな幸運、チャンス、二度とないことはわかっていた。

第一回大会で近しい友人が、第二回ではいろんな知り合いが、第三回は仲良くしていた子が目の前で…
引き当てた幸運を祝福しながらも、心には黒い感情がほんの少し…身を焦がしていた。
あまりにも羨ましくて、妬ましくて、ソウ●ジェムが真っ黒に濁る。精神衛生上良くない。
私は、自分の精神を守る為の盾を作った。


「当たっても、自分の物にしないでおこう。」
「人にあげよう!サプライズ!●●●さん、絶対喜ぶぞー!」


自分の嫉妬心を鎮めるための方便だったのだが、本当に当たってしまい、現地で激しく動揺。

「ま、いっか!私が手に入れるよりも有意義だろう!
 
あげたら絶対喜ぶぞー!!ひゃっほ―――!!!





3.白紙色紙を入手した後

さて、サプライズであげると書いたが、その友人は大会には『仕事』の都合で来ることはない。
あれは仕事……そうだな。うん。立派な仕事だ。なんか名古屋に出張で行ってるんだよなわかるよ。

スタッフさんに白紙色紙が当たった旨を伝え、確認してもらうと、奥から1枚のシートを取り出されてきた。
上にはイラストレーターさんの名前と各御仁の受け渡し時間、左には上から①、名前、②、名前と書かれていた(と思う)。

先着順で、希望のイラストレーターさんに頼める、というのがわかる。
①、②というのは、イラストレーターさん1人につきリクエストは2人まで、ということであろう。
1番だった為、それらの印字以外は真っ白であった。
逆に言えば、後の人は誰がどの先生に何をリクエストしたのか、まるわかり…なのかもしれない。

念の為、スタッフさんに「書いてほしい名前を書けばいいのか」と確認した上で、了承を得て記入。
受け渡しの際の注意事項を聞き、解放された。






4.先生を目の前にして

萩谷先生の受け渡し時間は、ちょうど準決勝あたり、熱い熱い試合の最中だった。
この試合を見られないことを残念に思いながら、逸る気持ちを抑えつつ、指定された場所へ向かった。

私の前に、先に受け取りをしている方がいた。 妲己…かな…?
なるほど、先生から直接手渡ししてもらえるらしい。言葉も少し伝えられるようだ。

先生は鮮やかで温かみのある濃い橙色のニットセーターをお召しになっていた。
橙色、和の色。先生が描かれるキャラの絵によく「差し色」として入っている。
秀吉の勢力である豊臣家のカラーを連想させられた。いや、あれはみかん色に近かったか…
先生が描かれた織田家のR織田吉法師の食べている柿の色に近いな……


私の番が来た。先生の下へと通される。
机の上に置かれた色紙。先生の直筆の、ツクヨミのイラスト…


白い色紙に、黒とグレーを使った髪のつやベタ。細やかな髪の流れが美しい。
そして、そこにツクヨミのもう1つのカラーである紅がふんだんに使われていた。
お顔もおめめのまつ毛1本1本まで、全ての線が無駄なく彼女の美を彩る。
あまりに美しく貴い、とても手の込んだ大作。


こちらがその色紙。

生まれてきたこと、ここまで死なずこれを手にする機会を得られた事に感謝した。
このまま奪い去りたい。
こんな素晴らしい絵を一番に見ることができる名誉を、噛みしめていた。



よく見ると、この時点では名前と先生のサインがない。これから目の前で書かれると言うのか。


「お名前は… ●●●さん、でいいですか?」
「え、えっと、私の名前…では、ないんです…… でも、その、
この名前で書いて頂きたって……
「ああ… 代理の方ですか?」


代理、と言う言葉に慌てて、早口で捲くし立てて話す。

「いっ いえっ! あの!
 
この色紙は私が手に入れましたし、私は先生が大好きで!他のセガ作品で知った時からずっと!
 こんな素晴らしいツクヨミ様、もう、むしろ私が貰って帰りたい奪い去りたいくらいで!!!


そんな私の話を、先生は静かに聞いてくださった。

「その、友達……大切な人でして… その人も先生の描かれるツクヨミが大好きで!
 あげたら、きっと喜ぶと……ッ!」

…はい、わかりました

微笑まれた先生は、金の油性マーカーの蓋を開け、さらさらと可愛らしい字を記されて…その筆運びを、目で追う…
滑らかなカーブを描く瞬間とか、もう一挙一動が、美しかった。ずっと見ていたかった。
最後に、花押のような、御自身のお名前の…素敵なデザインのサイン。


「はい、どうぞ」

差し出された色紙を、反射的に、両手を出して礼をしながら受け取る。
卒業式の証書授与のような格好であった。
今思えば、大事な大事なものを受け取る、そういう心の表れだったのだろう。

私は、もう感極まって、言葉にならない中なんとか声を搾り出し


「た、たいせつにしまひゅ……

いや私がじゃなくて貰った相手に”大切にさせる” というか
”大切にしないなら
ころころしてでもうばいとる というか



気が付いたら、駆け足でその場を去った後であった。
たくさん後悔した。沢山の感謝の言葉をもっと伝えたかったのに……







5.大会が終わった後で

サプライズに取っておいていたため、色紙のことはツイートしていなかったが、それでも私は、先生に感謝を伝えたかった。

先生のwebサイトを見ても感想フォームはなく…お、お仕事用のメールアドレスに直接感想を送るのもなぁ…
http://www3.kcn.ne.jp/~sasuke-s/
pixivはチェック頻度が少ないらしい…じゃあ…
https://www.pixiv.net/member.php?id=1035384

ツイッターのリプライで、文章をいっぱい推敲して、140字以内におさめて送らせて頂いた。
その際アイコンを自分の描いたツクヨミにした所、気付いてくださったようで、もう、もう……心臓が飛び出て…
先生の優しさにただただ心が温かくなり、萩谷先生のことがもっともっと大好きになってしまったのだった……






ありがとう全国大会。ありがとうございます萩谷先生。 一体何者なんだ有限会社ツクヨミ。
ワンダーランドウォーズ、最高……!
更新日時:2019/02/05 02:36
(作成日時:2019/02/04 23:54)
カテゴリ
雑談
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