多々良「面白そうな本を見つけたぞ。
『泣いた赤鬼』だ。
これは温羅が泣く話なのか?
興味あるゾ!」
スカーレット「じゃあ、読んであげるわね」
★★★★★
スカーレット「むかし、赤鬼が一人ぼっちで住んでいました。
赤鬼は、村人と仲良くなりたかったのですが、
見た目が怖い赤鬼に村人は寄ってきません。」
多々良「温羅のヤツ、あれでなかなか寂しがり屋だからナ」
スカーレット「赤鬼のところへ親友の青鬼が訪ねてきました。
赤鬼は悩みを打ち明けます」
多々良「お、青鬼も出るのか!
これはお悩み解決だな!」
スカーレット「話を聞いた青鬼は言いました。
『俺が村人を襲うから、お前は俺をやっつけろ。そうすれば赤鬼は村人の味方だってみんな解ってくれるだろ』」
多々良「さすがヤシャオーだな。賢いゾ。」
スカーレット「そして次の日、青鬼は村人に襲いかかります。
逃げる村人を助けに、赤鬼がやってきて、青鬼を投げ飛ばしました。」
多々良「さすが迫真の演技だな」
スカーレット「唖然とする村人でしたが、これをきっかけに赤鬼の家を訪れ、だんだんと赤鬼は村人と仲良くなり、
お茶や花見をしたり、踊りを披露したりと、楽しく暮らしました。」
多々良「うん。一件落着だな!」
スカーレット「…ある日赤鬼は、わざわざ自分の為に悪役を買ってくれた青鬼を訪ねます」
多々良「お、まだ続きがあるのか…」
スカーレット「青鬼の家には誰もいません。
そこには手紙が置いてありました。」
多々良「……………」
スカーレット「『赤鬼、上手く行ったな。でも、俺とお前が友達だと解れば、騙されたと思う村人もいるだろう。だから俺は遠くに行く。』」
多々良「……え?」
スカーレット「『お前には村人達がいて賑やかに過ごせるだろう。俺のことは忘れてみんなと仲良くな』」
多々良「そ、そんな……」
スカーレット「『もう会えないけど、俺はいつまでもお前の親友だからな』
手紙を読み終えた赤鬼は泣きました。
ただただ、赤鬼は泣きました。
誰もいない青鬼の家で、赤鬼は泣き続けましたとさ。
これでお終いね。
あらっ……」
多々良「……ウッ、ヒック、…どうして、……誰も悪いヤツはいないのに……」
スカーレット「あらあら、どうやら青鬼も泣いちゃったみたいね」
青鬼の心遣いが…悲しい…
私も子供のころ多々良と同じ気持ちだったなぁ…
原作だと確か青鬼はもともとめっちゃ遠くに住んでるから出ていかなくてよくね?って思ってましたわ
>董白さん!
コメントありがとうございます。
この昔話、青鬼がやたら気配りしてるんですよね。
>Marimonnさん
コメントありがとうございます。
確かに。でも青鬼が赤鬼と会うことは問題ありそうだから、トラブルが起こらないように身を引く青鬼は凄い判断力だと思いましたが、
子供心には色々考えさせられる話ですね。