君
君
そう、君だよ
やっと顔を向けたな
今、時間あるかい?
無いなら後で構わないんだが…
ある?じゃあちょっと付き合ってもらおうかな
…っと、このままだとやりづらいな
ちょっと
まってて
くれよ
よし、オーケー。
さて、話をしようか。といっても、俺が一方的に話すだけだからさ、椅子にでも座ってゆっくりしててくれよ。
飲み物はいるかい?まぁこっちからじゃ渡せないんだが…
そっちは暑い時期なんだろう?大切だぜ?水分補給。
おっと、また話が逸れたな、悪い癖だ…
で、話ってのはだな
「君は何故戦うのか」って事だ。
ここでいう「戦い」ってのは、君たちが「全国対戦」と呼ぶアレだ。神筆使い候補達がわらわら集まって、4人対4人で争い、切磋琢磨するアレだよ。
なんだったか、「かつて世界を覆った闇を討つ為に神筆によって生み出された伝説の戦士達を操る才を持つ者を集め、その力を競い合い、新たな神筆使いを生み出し、再び現れし闇を払う」…とかなんとか、あの司書のおば…お姉さんは言ってたな。
ああ、そりゃ俺だって馬鹿じゃないからさ、「実戦で経験を積んで腕を磨き神筆使いを目指す」ってのはわかる。
でもさ、考えてもみろよ?神筆を持てる、つまり神筆使いになれるのはほんの一握り、あるいはたった一人だぜ?
何が言いたいって?馬鹿らしいって事さ。
日夜戦いに明け暮れて、キャスト達を怪我させあって、必死こいて腕を磨いても、最後には全部無駄になっちまうって事だろ?神筆使いになれなかったやつはさ。
虚しくて涙が出てくるよ。漏れちゃう。
結局は最後に生まれた神筆使いが何もかも終わらせて、俺たちはお役御免お疲れさん!ってなわけだ。
だから別に俺は神筆に興味なんてないんだよ。アンタも一回や二回は思ったことがあるんじゃないか?「俺じゃなくても誰かが」ってな。
いやいや待て待て勘違いするなよ?何もやめちまえなんて言う気はないさ。ただ、戦いの全てが無駄になるくらいなら、多少なり意味のある戦いをしようって話さ。
アンタも見た事あるんじゃないか?「冒険譚」ってやつだ。
アナスン、だっけか?あの陽気で何考えてんだかわからない野郎…野郎かアレ?まぁいいや、アレから預けられた物あるだろ?
そう、「錫の新兵」。どっから持ってきたのか、神筆使い候補にいきなりティッシュみたいに配り始めたアレだよ。
アレは俺たち一人一人が勝手にデザインできる、いわば子どもみたいなもんだ。本人の意思は多少尊重してやるべきではあるが、それでも導くのは俺たちだ。
どうせ戦うなら、アレの為に闇と戦う方がいいんじゃないかって話だよ。あっちが悪者、こっちが善物ってのもわかりやすくていいしな。ヴィラン率いる闇の軍勢を神筆使いが生まれるまで相手する時間稼ぎ。足止め役って事さ。悪くないだろ?
例え神筆使いが生まれても、育った新兵は消えやしない。俺たちの戦った証は残るんだ。いい事じゃないか?全部さっぱり消えるよりよっぽどな。
どうするかは君次第さ。神筆使いを夢見て他の候補者達と戦い続けるも良し。神筆に興味無く、ただ戦いを楽しむのもまた良し。あるいは俺のように、錫の新兵を染め上げるも良し。
せっかく候補者に選ばれたんだ、全部やってみるのも良いかもな。
おっと、そろそろ時間切れみたいだな
まだもうちょっと
言いたいことが
とくに無いな
そして僕は冒険譚を始めたのだ。(大嘘)
みんな!冒険譚をやろう!
この物語は設定資料集等を
一切読まず適当に書いています。
また、この物語はフィクションです。
実在するあらゆる全てに対し
一切の関係はありません。
誰だ?こんな怪文書を書いたのは
大好きです(*^^*)
吹きながら読みましたw好きです(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
ティッシュみたいに配り始めた、が好きです