「マスター、今日はなんの日か知ってるか?」
「今日なんか特別な日だっけ?」
「ゴールドラッシュデーさ。」
「...ああ、金が見つかったってあれか!」
「ざっくりだな。まあそれでもいいが...マスターは大金を手にしたらどうする?」
「そうだなぁ。ちなみにいくら?」
「10億とかだと、どうだ?」
「半分貯金で、二分の一両親にやって、後は使う。」
「夢が無さすぎる!!男なら全額カジノへ持っていけ!!」
「ここ日本ですし、そんな博打私したくない!!」
「何ぃ!?さらに増やそうという考えはないのか?」
「ギャンブラーの典型的なやつだね!なぜ減るかもしれないと考えないんだ!?」
「ぐぬぬ、まさかマスターがそんなチキンだったとはな。」 「(カチーン)慎重派と言ってほしいものだねぇ?たかがギャンブルにそこまで熱くなる方が、よっぽどおかしいんじゃない?」
「(ブチッ)これだから、チキンは困るのだ。度胸がない臆病者に、大金も夢も来ることはないんだぞ?」
「...ウィキシィ..俺達がしてなかったことが一つあったわ...喧嘩だよ。」
「ほぉ?お前、まさか私に勝てると思っているのか?」 「物理の喧嘩は、小学生の頃にとっくに卒業してる。...これでケリをつけてやるさ。」
「..トランプ?..お前喧嘩の意味知ってやっているのか?」
「相手の得意なもので打ち負かしてこそ、大人の喧嘩だ。この俺を打ち負かしてみせろ!」
「..はぁ、いいだろう。お前に絶望を与えてやるさ?...さぁ、来い?」
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「あがりだ。もうやめておけ。」
「まだだ!これからが本番だぜ!」
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「あがり。..どうした?目が死んできているぞ?」
「ふ..ふふふ..楽しくなってきたぁ。」
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「...あがり、やめy」
「絶望を与えるんだろ?早く来いよぉ、さあぁ!」
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「...おw」
「へへへ、どうしたぁ?勝ってるのに随分つらそうだなぁ?」
「...ヤメテ」
「んーー?なんだってぇ~?」
「もうやめろ!お前は私に敵わない!」
「...そろそろ、決めるかぁー?」
「何!?」
「決着をよぉー?つけるんだよぉー?」
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「どういう..ことだ?」
「ヒヒヒ、追いつめたぜぇ?ウィキシィちゃんよぉー?」 「..私にイカサマは通じんぞ?」
「...だなぁ。じゃあ終わらせるよ?左!」
「!!」
「...っっっしぃぃやぁぁぁぁ!!!」
「ま...負けた..だと!?」
「っしゃあああ!(バタッ」
「マ!..マスター!!」
「...どうだ?見ただろぅ?」
「何を..?」
「諦めねぇド根性ってやつさ。..俺はチキンかもしれんが、簡単に食われるようなチキンじゃねぇってこと、分かってもらえたかい?」
「...はっ...ハハハ..アッハハハ!」
「な...何さ?」
「...私のパートナーである資格は、私が何も見えなくなったときに、いかに冷静に慎重に行動できるかどうかだ。マスターは...その資格があるさ。」
「ウィキシィ...」
「喧嘩は終わりだ。なら、やることがあるよな?」
「..うん!」
「(手を出して)すまなかった、そして今後も頼む」
「(こちらも手を出して)こっちこそ悪かった、これからもよろしくな!」
ギュッ!
1/24 金と喧嘩
~fin~